エストロゲンを増やすには?食事・運動・サプリまで、今日からできる実践法
- Ruck D Ruther

- 3月28日
- 読了時間: 15分
女性の健やかさや美しさにとって、生涯を通じて大切な役割を担う「エストロゲン」。年齢による変化、妊活、日々の活力維持など、エストロゲンの量に関心を持つ女性が増えています。
この記事では、「効率的にエストロゲンを増やしたい」と考えているあなたのために、科学的根拠に基づいた具体的な方法を分かりやすく解説します。
エストロゲンとは何か、なぜ重要なのか?
食事や運動、生活習慣でできること
注目されているサプリメント(NMN、マカ、エクオールなど)の効果と注意点
これらの情報を網羅していますので、ぜひ最後まで読んで、あなたに合った方法を見つけるヒントにしてください。

目次
エストロゲンとは?女性の体と心に不可欠なホルモン
エストロゲンとは、主に卵巣で作られる女性ホルモンの一種で、女性らしい体つきや妊娠・出産に深く関わるだけでなく、全身の健康維持に欠かせないステロイドホルモン群です。
エストロゲンの種類と主な働き
エストロゲンには主に3つのタイプがあります。
エストロン(E1): 閉経後に主要なエストロゲンとなります。
エストラジオール(E2): 最も作用が強く、生殖年齢期(思春期~閉経前)に中心的な役割を果たします。
エストリオール(E3): 主に妊娠中に多く分泌されます。
これらのエストロゲンは、体内の「エストロゲン受容体」と結合することで、様々な生理機能にスイッチを入れます。
エストロゲンが女性の健康に与える影響(メリット)
エストロゲンは、女性の体内で驚くほど多くの重要な役割を担っています。
生殖機能:
思春期の第二次性徴(乳房の発達、丸みのある体つきなど)を促す
月経周期を整え、排卵を起こす
妊娠しやすいように子宮内膜を厚くする
妊娠の維持を助ける
膣の潤いや弾力を保つ
骨の健康:骨を作る細胞を活性化し、骨を壊す細胞の働きを抑えることで骨密度を維持し、骨粗鬆症を予防します。
心血管の健康:善玉(HDL)コレステロールを増やし、悪玉(LDL)コレステロールを減らす働きがあり、動脈硬化などのリスクを軽減する可能性があります。
脳機能:気分や記憶力などに関わり、認知機能をサポートする可能性があります。
皮膚の健康:コラーゲンの生成を促し、肌のハリや潤いを保ちます。
その他:尿路、粘膜、骨盤周りの筋肉、髪の毛の成長などにも影響を与えます。
エストロゲンが減少するとどうなる?(デメリット)
エストロゲンの分泌量は、生涯を通じて自然に変動し、特に更年期(閉経前後)には大きく減少します。エストロゲンが持続的に低い状態になると、以下のような様々な不調が現れることがあります。
ほてり、のぼせ、発汗(ホットフラッシュ)
寝汗
膣の乾燥、かゆみ、性交痛
気分の落ち込み、イライラ、不安感
不眠、睡眠の質の低下
疲労感、倦怠感
骨密度の低下(骨粗鬆症のリスク上昇)
肌の乾燥、シワ、たるみ
記憶力・集中力の低下
このように、エストロゲンレベルを適切に保つことは、女性が健やかで快適な生活を送る上で非常に重要なのです。

今日からできる!エストロゲンをサポートする3つの習慣
ホルモン補充療法(HRT)のように直接的にエストロゲンを増やすわけではありませんが、日々の生活習慣を見直すことで、体内のホルモンバランスを整え、エストロゲンの働きをサポートすることができます。
【食事編】エストロゲンを意識した食生活のポイント
バランスの取れた栄養豊富な食事は、ホルモンバランスの土台となります。特に以下の点を意識してみましょう。
植物性エストロゲンを多く含む食品を取り入れる:植物性エストロゲンは、体内でエストロゲンと似た働きをする植物由来の成分です。
大豆製品:豆腐、納豆、味噌、豆乳、枝豆など(特にイソフラボンが豊富)
豆類:レンズ豆、ひよこ豆、インゲン豆、ピーナッツなど
種子類:亜麻仁(フラックスシード)、ごま、ひまわりの種など(リグナンが豊富)
ナッツ類:アーモンド、くるみ、ピスタチオなど
全粒穀物:玄米、オートミール、大麦、ライ麦パンなど
果物:ベリー類、りんご、プラム、ぶどう、桃など
野菜:ブロッコリー、カリフラワー、ケール、ほうれん草、にんにく、玉ねぎなど
ホルモン代謝を助けるビタミン・ミネラルを摂取する:
B群ビタミン:レバー、魚介類、肉類、豆類、緑黄色野菜など
ビタミンD:きのこ類、魚介類(特に鮭、いわし)、卵黄など(日光浴も有効)
良質な脂質を摂る:ホルモンを作る材料になります。
青魚(DHA・EPA)、亜麻仁油、えごま油(オメガ3系脂肪酸)
オリーブオイル、アボカド(オメガ9系脂肪酸)
ポイント:特定の食品だけを大量に摂るのではなく、様々な食品をバランス良く組み合わせることが大切です。植物性エストロゲンの効果は穏やかで個人差もありますが、健康的な食生活はホルモンバランス全体の維持に繋がります。
【運動編】ホルモンバランスを整える運動習慣
定期的な運動は、ホルモンバランスを含む全身の健康に良い影響を与えます。
適度な運動を心がける
ウォーキング、ジョギング、ヨガ、水泳など、楽しめるものを続けましょう。
筋力トレーニングも有効
特に閉経後の女性では、筋トレがエストロゲンレベルの維持に役立つ可能性が示唆されています。スクワットや腕立て伏せなど、自宅でできるものから始めてみましょう。
過度な運動は避ける
アスリートのように極端に激しい運動や、過度な減量は、かえってエストロゲンレベルを低下させる可能性があるので注意が必要です。
継続が大切
短期間だけ頑張るのではなく、無理なく続けられるペースを見つけましょう。
運動はストレス解消や睡眠の質の向上にも繋がり、間接的にホルモンバランスを整える効果も期待できます。
【生活習慣編】睡眠・ストレス管理・体重維持がカギ
食事や運動と同じくらい、日々の基本的な生活習慣もホルモンバランスに影響します。
質の高い睡眠を確保する
毎日7〜9時間を目安に、十分な睡眠時間を確保しましょう。寝る前のスマホ操作を控える、寝室の環境を整えるなども効果的です。
ストレスを上手に管理する
過剰なストレスはホルモンバランスを乱す原因になります。瞑想、深呼吸、ヨガ、趣味の時間、自然に触れるなど、自分に合ったリラックス法を見つけましょう。
健康的な体重を維持する
極端な痩せすぎは、エストロゲンの分泌低下に繋がる可能性があります。適正体重を維持するよう心がけましょう。
アルコールの飲み過ぎに注意する
過度のアルコール摂取はホルモンバランスを崩す可能性があります。適量を守りましょう。
禁煙を心がける
喫煙はエストロゲンの減少を早める可能性があるため、禁煙が推奨されます。
これらの生活習慣を整えることは、エストロゲンの分泌を直接的に「増やす」というより、体が本来持つホルモン産生・調節能力を最適化するために非常に重要です。

【科学的根拠】特定の食品や栄養素はエストロゲンにどう影響する?
食事で紹介した成分について、もう少し詳しく見ていきましょう。
植物性エストロゲン(大豆イソフラボンなど)の効果
大豆イソフラボン:最も研究が進んでいる植物性エストロゲンの一つです。ほてりや膣の乾燥といった更年期症状を和らげる可能性が複数の研究で示されています。
亜麻仁(リグナン):亜麻仁に含まれるリグナンも、更年期症状の緩和やエストロゲンの代謝に良い影響を与える可能性が示唆されています。
その他の植物性エストロゲン:他の食品に含まれる植物性エストロゲンが、直接的に体内のエストロゲン量を増やす効果については、まだ研究が限定的です。
ビタミン・ミネラルの役割
B群ビタミン:エストロゲンの代謝に関わり、ホルモンバランスをサポートします。
ビタミンD:エストロゲンと協力して心血管系の健康維持に関わるほか、エストロゲンレベルにも影響を与える可能性が研究されています。
ホウ素:体がエストロゲンをより効果的に利用するのを助ける可能性があります(ナッツ類、果物、野菜に含まれるミネラル)。
ビタミンE:ほてりの軽減に役立つ可能性が示唆されています(ナッツ類、植物油、アボカドなどに豊富)。
注意点:特定の食品や栄養素だけでエストロゲンレベルを大幅に上げることは難しく、バランスの取れた食事が、ホルモンを作る材料を供給し体全体の健康をサポートします。結果、間接的にホルモンバランスに良い影響を与えると考えられます。
エストロゲンを増やすサプリメント徹底比較
近年、エイジングケアや健康維持の目的で様々なサプリメントが注目されています。ここでは、特に話題になることが多い成分について、エストロゲンへの影響という観点から見ていきましょう。
重要な注意点:サプリメントは医薬品ではありません。効果には個人差があり、科学的根拠がまだ十分でないものもあります。持病がある方、薬を服用中の方、妊娠・授乳中の方は、必ず事前に医師や薬剤師に相談してください。
NMN(ニコチンアミドモノヌクレオチド)
特徴
体内でNAD+という補酵素に変換され、細胞のエネルギー産生や修復に関わる成分。エイジングケア成分として注目されています。
エストロゲンへの影響
動物実験(マウス)では、卵巣機能の改善や卵子の質の向上、閉経後の生殖能力延長といった可能性が示唆されています。
ヒトでの研究は、代謝改善や身体能力向上などが中心で、現時点では、NMNが直接的にヒトのエストロゲンレベルを増加させるという明確な科学的根拠は限定的です。
NMNは様々な健康効果が期待されていますが、エストロゲン増加を主目的とするには、まだ研究が必要です。
マカ
特徴
ペルー原産の根菜で、滋養強壮やホルモンバランスを整える目的で伝統的に利用されてきました。
エストロゲンへの影響
ほてり、気分の変動といった更年期症状の緩和や、性機能改善に役立つ可能性がヒトの研究で示唆されています。
しかし、**エストロゲンレベルを直接増加させるかについては、研究結果が一貫していません。**増加が見られた研究、変化がなかった研究もあります。
マカは植物エストロゲンを含むのではなく、他の成分(植物ステロールやアルカロイドなど)がホルモンバランスを整えるスイッチとして働いている可能性が考えられています。
マカは更年期症状の緩和などに期待できるかもしれませんが、エストロゲンレベルへの直接的な影響は不明確です。
トンカットアリ(ロングジャック)
特徴
東南アジア原産のハーブで、伝統的に男性のテストステロン(男性ホルモン)レベル向上や滋養強壮目的で利用されてきました。
エストロゲンへの影響
男性においては、テストステロンをエストロゲンに変換する酵素(アロマターゼ)を阻害することで、むしろ抗エストロゲン作用(エストロゲンを減らす作用)を示す可能性があります。
女性のエストロゲンへの影響に関するヒトでの研究は非常に限られています。一部の動物実験(ラット)ではホルモンバランスへの影響が示唆されていますが、これをヒトに当てはめるのは困難で、基本的に、トンカットアリは女性のエストロゲン増加を目的とするサプリメントとしては推奨されません。効果が期待出来るのは男性ホルモンの増加です。
エクオール:注目の理由とサプリメントの活用
特徴
大豆イソフラボンの一つである「ダイゼイン」が、特定の腸内細菌によって代謝されて作られる成分です。エストロゲンと構造が似ており、体内でエストロゲン様作用を示します。
エクオールを作れる人は限られている
日本人を含むアジア人では約50%、欧米人では約30%の人しか、エクオールを体内で十分に作れる腸内細菌を持っていないと言われています。
エストロゲン様作用と期待される効果
エストロゲン受容体の中でも、特に骨や血管、脳などに多く存在する「ERβ」に選択的に結合しやすい性質があります。
更年期症状(ほてり、首や肩のこりなど)の緩和
骨密度の低下抑制(骨粗鬆症予防)
肌のシワ改善など美容効果
メタボリックシンドロームのリスク低減
サプリメントとしての利用
体内でエクオールを作れない人でも、サプリメントで直接摂取することで、エクオールの恩恵を受けることができます。安全性に関する研究も進んでおり、比較的安心して利用しやすい成分と言えます。
エクオールは、特に更年期症状の緩和や骨の健康維持を目的とする場合、科学的根拠も比較的豊富で、サプリメントでは最も有望な選択肢と言えるでしょう。自分がエクオールを作れるかどうかは、簡単な尿検査キットで調べることができます。
効率的にエストロゲンをサポートするための具体的なアプローチ
ここまで見てきたように、ホルモン補充療法(HRT)と同レベルまでエストロゲンを「増やす」ことを、食事や運動、サプリメントだけで実現するのは難しい場合があります。大切なのは、体全体のホルモンバランスを整え、健やかな状態をサポートすることです。以下に、具体的なアプローチをまとめます。
基本は健康的な生活習慣
バランスの取れた食事:植物性エストロゲン、ビタミン、ミネラル、良質な脂質を意識的に摂る。
適度な運動:有酸素運動と筋力トレーニングを組み合わせる。
質の高い睡眠:7時間を目安に確保する。
ストレス管理:自分なりのリラックス法を見つける。
適正体重の維持:痩せすぎ・太りすぎに注意する。
禁煙・節酒:ニコチンやアルコールは悪影響です。
エクオールサプリメントの検討
特に更年期症状がある方、骨の健康が気になる方、大豆製品をあまり摂らない方、検査でエクオールを作れないと分かった方におすすめです。
その他のサプリメントは慎重に
「エストロゲンサプリメント」と検索すると、NMNやマカ、トンカットアリなどのサプリメントが表示される事がありますが、エストロゲン増加目的で利用するのは現時点での科学的根拠からは推奨しにくいです。
医療機関への相談
低エストロゲンによると思われる症状(重い更年期症状など)で悩んでいる場合や、ホルモン補充療法(HRT)の代替を探している場合、新しいサプリメントを始める前には、必ず婦人科医などの医療専門家に相談してください。 症状の原因を正確に診断し、あなたに合った治療法や対策を提案してもらえます。
ホルモンバランスは非常にデリケートで、様々な要因が複雑に絡み合っています。一つの方法に頼るのではなく、生活習慣全体を見直し、必要に応じて専門家の助けも借りながら、総合的にアプローチすることが大切です。ここで解説した成分を中心に、エストロゲンへの影響や注意点をまとめたので、サプリメント選びの参考にしてください。
サプリメント/成分 | 女性ホルモン(エストロゲン)への期待される効果 | 科学的根拠の強さ | 考慮事項/注意点 |
エクオール | 更年期症状の緩和、骨の健康サポート | 有望 | 一般的に安全とされるが、医療提供者に相談推奨。 |
大豆イソフラボン | ほてりや膣の乾燥緩和に役立つ可能性 | 中程度 | 原料や加工法を確認。過剰摂取は注意。 |
レッドクローバー | ほてり軽減に役立つ可能性 | 中程度 | 血液凝固阻止薬(ワルファリンなど)との相互作用に注意。 |
ブラックコホッシュ | 更年期症状緩和に役立つ可能性 | 混合 | 長期的な安全性データは限定的。肝機能への影響報告例あり。 |
マカ | ホルモンバランス調整、更年期症状緩和の可能性 | 混合 | エストロゲンへの直接効果は不明確。ホルモン感受性疾患では注意。 |
ビタミンD | エストロゲン産生に関与、骨・心血管系の健康サポート | 限定的 | 不足しがちな栄養素。サプリメントも有効だが過剰摂取注意。 |
ホウ素 | エストロゲンの体内利用を助ける可能性 | 限定的 | 通常の食事で摂取可能。サプリでの過剰摂取注意。 |
月見草油 (EPO) | 更年期症状管理に役立つ可能性 | 限定的 | てんかん薬など特定の薬と相互作用の可能性。 |
DHEA | エストロゲンレベルを上昇させる可能性(特に閉経後) | 限定的〜中程度 | 医師の監督下での使用が必須。副作用(にきび、多毛など)のリスクあり。 |
NMN | (動物実験で生殖機能への好影響示唆) | 限定的 (ヒト) | ヒトでのエストロゲンへの直接的エビデンスは乏しい。長期安全性データ不足。 |
トンカットアリ | (男性のテストステロン増加、抗エストロゲン作用の可能性) | 低い (女性) | 女性のエストロゲン増加目的では推奨されない。安全性への懸念あり。 |
※科学的根拠の強さは、エストロゲンへの直接的な影響や関連症状の緩和に関する現時点での研究状況を大まかに示したものです。
まとめ:自分に合った方法で健やかな毎日を
エストロゲンは、女性の生涯にわたる健康と幸福感に深く関わる大切なホルモンです。そのレベルは年齢と共に変化しますが、食事、運動、生活習慣を見直すことで、ホルモンバランスをサポートすることは可能です。
特に、大豆イソフラボンから作られるエクオールは、更年期症状の緩和や骨の健康維持において有望な成分であり、体内で作れない場合はサプリメントで補うことも有効な選択肢となります。
一方で、NMNやマカ、トンカットアリといったサプリメントは、エストロゲン増加を直接的な目的とするには、現時点では科学的根拠が十分とは言えません。
最も大切なのは、ご自身の体調やライフスタイルに合った方法を見つけることです。もし低エストロゲンによると思われる不調を感じる場合は、決して一人で悩まず、婦人科医などの専門家に相談し、適切なアドバイスや治療を受けるようにしましょう。この記事が、あなたがエストロゲンと上手に付き合い、より健やかで輝く毎日を送るための一助となれば幸いです。
エクオール配合のオススメサプリはこれ!





コメント