家族のために今から始める「デジタル終活」もしもに備えた安心を
- VII
- 5月27日
- 読了時間: 10分

突然ですが、ご自宅の整理、進んでいますか?大切な思い出の品々や、残されたご家族が困らないようにと、身の回りのものを片付けておく「遺品整理」は、人生の終盤に差し掛かる高齢者とって、とても大切なことですよね。※ちなみに私の祖父母は、遺品整理を何もせずに逝ってしまったため、整理にはとても苦労しました(孫です)。
そんな中、最近は目に見えない「デジタルなもの」の整理も、同じくらい大切だってご存知でしたか? 実は今、「デジタル終活」がテレビでも報道されるほど注目されているんです。
「デジタル終活って、なんだか難しそう…」「自分には関係ないかも…」そう思われた方もいらっしゃるかもしれませんね。でも、ご安心ください。今回は、この「デジタル終活」について、皆さんの大切なご家族のために、分かりやすく、そして優しくお話ししていきたいと思います。
目次
大切な「遺品整理」と新しく増えた「デジタル終活」
なぜ今「デジタル終活」が大切なの?見えない遺品が家族を困らせる
意外と多いデジタルな足跡「デジタル遺品」とは?
始めよう!「デジタル終活」のやさしい進め方
専門のサービスも上手に利用しましょう
「デジタル終活」はご家族への「安心」という名の贈り物
大切な「遺品整理」と新しく増えた「デジタル終活」
これまで「遺品整理」と言えば、お洋服や本、家具、写真アルバムなど、実際に手に取れるものを思い浮かべたことでしょう。これらをきちんと整理しておくことで、残されたご家族が「どこに何があるか分からない…」「どう処分したらいいの…」と困るのを防ぎ、悲しい気持ちの中で余計な負担をかけずに済みますよね。これは、いつの時代も変わらない、大切なご家族への愛情表現です。ところが今の時代、私たちの生活にはインターネットやスマートフォンがすっかり入り込んでいます。
毎日使うスマホの中の写真や動画
離れて暮らすお孫さんと繋がるLINEやSNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)
家計の管理に使うネット銀行
見たい時に映画が見られる有料サービス(※要注意)
お買い物が便利なインターネット通販
こういった目に見えない「デジタルなもの」も、知らず知らずのうちにたくさん増えているんです。これらを放っておくと、もしもの時に、ご家族が困ってしまう可能性があるんです。特に、解約していなければ死後も請求されるサブスクリプション...。
そこで、今注目されているのが「デジタル終活」です。これは私たちが生きているうちに、インターネット上のデータやアカウントを整理し、もしもの時に備えておく準備のことなんですよ。

なぜ今「デジタル終活」が大切なの?見えない遺品が家族を困らせる
なぜ、今この「デジタル終活」がそんなに大切なのでしょうか?それは、もしもの時にご家族が「困った…」と途方に暮れてしまうことを防ぐためです。
大切な情報が見つからない!
スマホやパソコンにロックがかかっていて、ご家族が中の写真や連絡先を見られない。
お葬式のお知らせをしたいのに、連絡先がスマホの中にしかなくて困ってしまう。
お気に入りの写真が見つからず、お葬式の遺影に困ってしまうことも。
知らずにお金が減ってしまうかも?
ネット銀行や証券会社に預けたお金があるのに、ご家族がその存在すら知らない。
毎月お金が引き落とされる有料サービス(Netflixなど)を契約していたのに、解約するのを忘れて、亡くなった後もずっとお金が引き落とされてしまう。
プライバシーが守られないかも?
使っていたスマホやパソコンを、データが入ったまま捨ててしまったり、誰かの手に渡ってしまったりすると、大切な個人的な情報が漏れてしまうかもしれない。
SNSのアカウントをそのままにしておくと、誰かが勝手に使ったり、いたずらをしたりする危険も。
ご家族の心の負担が増えることも…
遺品整理は、ただでさえ悲しい中で行う大変な作業です。もし、見られたくなかった個人的な写真や情報を見つけてしまったら、ご家族の心の負担はもっと大きくなってしまいます。
このように、「デジタルなもの」は目に見えない分、放っておくとご家族に大きな負担をかけてしまう、あるいは自身が恥ずかしい思いをする(検索履歴など)可能性があるんです。私たちが「デジタル終活」をすることで、ご家族が「どこに何があるか分からなくて困った」とならずに済み、安心して手続きを進められるようになります。
意外と多いデジタルな足跡「デジタル遺品」とは?
では、具体的に「デジタル遺品」にはどんなものがあるのでしょうか?大きく分けると、以下の3つがあります。
①スマートフォンやパソコンの中のデータ
何気なく撮りためた写真や動画
大切な方々の連絡先
日記やブログ、電子書籍など
様々なアプリのデータ
②インターネット上のデータ
LINEやFacebook、X(旧Twitter)、InstagramなどのSNSのアカウント
Google DriveやDropboxなどの、インターネット上に保存している写真やファイル
メールのアカウント
Amazonなどのショッピングサイトや、動画サイトの登録情報
③お金に関するデータ(デジタル資産)
ネット銀行や証券会社、仮想通貨(ビットコインなど)の口座情報
毎月お金がかかる有料サービス(Netflixなど)の契約情報
電子マネーや貯まったポイント、航空会社のマイレージなど
いかがでしたでしょうか?意外とたくさんの「デジタルなもの」を、私たちは持っているのですね。特に、最近は仮想通貨やNFT(エヌエフティー)など、新しい形のお金も増えていて、これらは目に見えない分、整理がとても大切になってきています。
始めよう!「デジタル終活」のやさしい進め方
「よし、デジタル終活、始めてみよう!」そう思われた方もいらっしゃるかもしれませんね。でも、何から始めたらいいか分からない、という方もいらっしゃるでしょう。ご安心ください。一つずつ、やさしく進めていきましょう。
ステップ1:まずは「持っているデジタルデータ」を書き出してみましょう
まずは、自分がどんなインターネットサービスやアプリを使っているかを、一度書き出してみましょう。
銀行、証券会社など、お金に関わるもの
LINE、Facebook、X(旧Twitter)などのSNS
GmailやYahoo!メールなどのメールサービス
Amazon、楽天などのインターネット通販サイト
Netflix、YouTubeなどの動画サイトや、音楽サービス
写真やファイルを保存しているクラウドサービス(Google Drive、iCloudなど)
普段、意識せずに使っているものも多いはずです。クレジットカードの利用履歴を見てみると、「あれ、こんな有料サービスを契約していたんだ!」と気づくこともあるかもしれません。
ステップ2:いらないものは「整理」したり「やめたり」しましょう
書き出したリストを見て、「もう使っていないな」「これは要らないな」と思うものは、思い切って整理したり、契約をやめたりしましょう。
不要な写真や動画は削除する。
使っていない古いアカウントは、思い切って解約する。
あまり見ていない有料サービスは、早めに解約しておく。
これで、亡くなった後も、ご家族が無駄な料金を払い続けることを防げます。
使っていない古い携帯電話や、データを保存したUSBメモリなども整理の対象です。
ステップ3:大切な情報は「記録」して「ご家族と共有」
ここが一番大切なところです!
「パスワード」や「ログイン情報」を記録しましょう
スマホやパソコンのロックを解除するパスワード
先ほど書き出したインターネットサービスのログインIDやパスワード
大切なデータの保存場所(「Google Driveの中の『思い出写真』フォルダ」など)
もしもの時に、このデータをどうしてほしいか(「この写真は残してほしい」「このSNSは削除してほしい」など)
これを書き残すのに便利なのが「エンディングノート」です。
<エンディングノート活用のポイント>
「紙」と「デジタル」を上手に使い分けましょう
一番大切なパスワードは手書きのノートに書いておく。
その他の多くのパスワードは、パソコンのExcelファイルなどで管理する。
そして、エンディングノートには「パスワード管理ファイルは、パソコンの『大切な情報』フォルダにあります」というように、その場所を書いておく。
こうすることで、セキュリティを守りつつ、ご家族が必要な情報を見つけやすくなります。
お金に関わる情報は慎重に
ネット銀行などの詳しい情報(暗証番号など)を直接書くのは避け、情報がある場所の指示を残し、セキュリティ対策をしっかりしましょう。
ご家族が「見つけやすい場所」に保管しましょう
仏壇の引き出し、本棚、机の引き出し、金庫の中など、ご家族がもしもの時に見つけてくれるであろう場所に置いておきましょう。銀行の貸金庫のように、ご家族が簡単に開けられない場所は避けましょう。
ステップ4:定期的に「見直し」をしましょう
デジタルな世界は常に変化しています。新しいサービスを使い始めたり、パスワードを変えたりすることもあるでしょう。ですから、デジタル終活は一度やったら終わりではありません。
年に一度など、定期的にリストを見直して、新しい情報を追加したり、古くなった情報を更新したりしましょう。
大切な写真やデータは、こまめにバックアップ(控えをとっておくこと)を取っておくのも大切ですよ。
専門のサービスも上手に利用しましょう
「自分一人では、やっぱり不安だな…」「たくさんのデジタルデータがあって、どこから手をつけていいか分からない…」そう思われた方もいらっしゃるでしょう。ご安心ください。そんな時は、専門のサービスを上手に利用するのも一つの方法です。
エンディングノートのアプリやウェブサービス:
アプリで手軽にエンディングノートを作成できるものもあります。三井住友銀行や三菱UFJ銀行など、金融機関が提供しているサービスもありますので、普段お使いの銀行に相談してみるのも良いでしょう。
パスワードを管理するソフト:
たくさんのパスワードを安全にまとめて管理してくれるソフトもあります。
デジタル遺品整理の専門業者や弁護士・司法書士:
パソコンやスマホのロック解除、使わないウェブサイトの閉鎖、大切なデータの取り出しなど、専門の業者に依頼することもできます。費用はかかりますが、ご自身では難しい複雑な手続きを代行してくれます。
これらのサービスは、私たちのデジタル終活を強力にサポートしてくれます。ご自身の状況に合わせて、上手に活用してみてくださいね。

「デジタル終活」はご家族への「安心」という名の贈り物
今回のブログでは、「デジタル終活」の重要性や具体的な進め方についてお話ししてきました。デジタル終活は単にパソコンやスマホのデータを整理することではありません。もしもの時に、残されたご家族が「どこに何があるか分からない」と困ったり、余計な心配をしたり、余分な費用をかけたりすることのないように、あなたができる「安心という名の贈り物」なのです。
そしてきちんと整理しておくことで、ご家族が悲しみの中で故人との大切な思い出に、安心して向き合える時間を作ることにも繋がります。これは、まさにご家族への「最期の愛情表現」と言えるかもしれません。
始めるのはいつでも大丈夫です。できることから少しずつ。ご自身のペースで、大切なご家族のために「デジタル終活」を進めてみてはいかがでしょうか。
勿論、デジタルと並行してアナログな遺品整理もとても大切です。遺品整理は、心の整理でもあります。もし、ご自宅の遺品整理で「これはどうしたらいいだろう?」と迷うお品物があったら、信頼できる専門業者に相談するのも一つの手です。例えば、着物や骨董品、ブランド品など、価値のあるものを適正な価格で買い取ってくれる専門業者もいます。高価買取専門の【バイセル】は、経験豊富な査定員が丁寧に品物の価値を見極め、お客様のご自宅まで無料で出張査定に来てくれます。お忙しい方や、持ち運ぶのが大変な方にも安心です。まずは、無料相談から検討してみてはいかがでしょうか。
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