「更年期だるい…」は放置しないで!原因と今日からできる8つの簡単対策
- UR
- 3月28日
- 読了時間: 12分
「なんだか最近、体がずっとだるい…」
「朝起きるのがつらいし、日中もやる気が出ない…」
もしかして、それは更年期のだるさかもしれません。更年期は、女性の体が大きく変化する時期。だるさや疲労感は、多くの方が経験する非常によくある症状ですが、日常生活に支障が出ると本当につらいですよね。でも、「年のせいだから仕方ない」と諦めないでください!この記事では、
なぜ更年期にだるさを感じるのか?根本的な原因を分かりやすく解説
今日からすぐに始められる具体的な8つの対策法(食事、運動、睡眠、サプリなど)
だるさと似た症状の他の病気の可能性と見分け方
どんな時に病院に行くべきかの目安
など、あなたが「更年期のだるさ」を乗り越えるための情報を詳しくお伝えします。ぜひ最後まで読んで、少しでも楽になるヒントを見つけてくださいね。

目次
なぜ?「更年期だるい」を引き起こす主な原因
更年期(一般的に45歳〜55歳頃)に感じるつらいだるさ。その背景には、様々な原因が複雑に絡み合っています。
【最大の原因】ホルモンバランスの大きな波
更年期の最大の特徴は、卵巣の機能が低下し、女性ホルモンであるエストロゲンとプロゲステロンの分泌量が急激に減少・変動することです。
エストロゲン
女性らしさを作るだけでなく、エネルギー産生、睡眠の質、気分の安定、自律神経の調整など、全身の健康維持に幅広く関わっています。エストロゲンが減ることで、エネルギー不足や気分の落ち込み、不眠、自律神経の乱れなどが起こり、だるさ・疲労感に直結します。
プロゲステロン
妊娠を助けるホルモンですが、リラックス効果や睡眠を促す働きもあります。このホルモンの減少も、不眠や気分の不安定さを招き、だるさの原因となり得ます。
このホルモンのジェットコースターのような変動が、更年期のだるさの根本にある大きな原因なのです。
質の悪い睡眠・睡眠不足
「夜中に何度も目が覚める」「寝汗(ホットフラッシュ)でぐっすり眠れない」といった睡眠トラブルも、更年期によくある悩みです。ホルモンバランスの乱れは、睡眠の質を大きく低下させます。睡眠不足は、日中の強いだるさや集中力低下、気分の落ち込みに直結するだけでなく、疲労を回復させる大切な時間を奪ってしまいます。だるさの悪循環に陥りやすい原因です。
自律神経の乱れ
エストロゲンの減少は、体のアクセル役(交感神経)とブレーキ役(副交感神経)のバランスを司る自律神経の働きも乱します。自律神経が乱れると、体温調節がうまくいかなくなってホットフラッシュが起こったり、動悸、めまい、血圧の変動、そして原因不明のだるさなどが現れやすくなります。
隠れ貧血かも?(鉄不足)
更年期は、閉経に向けて月経周期が乱れやすく、経血量が増えたり、出血期間が長引いたりすることがあります。これにより、体内の鉄分が不足し、鉄欠乏性貧血になっている場合があります。鉄は、血液中で酸素を運ぶヘモグロビンの材料です。鉄が不足すると、全身に十分な酸素が行き渡らず、だるさ、息切れ、めまい、頭痛などの症状が現れます。「隠れ貧血」とも呼ばれ、自覚がない場合も多いので注意が必要です。
甲状腺ホルモンの低下
体の代謝をコントロールする甲状腺ホルモン。このホルモンの分泌が低下する「甲状腺機能低下症」は、実は更年期の女性に比較的多く見られます。症状としては、強いだるさ、体重増加、寒がり、便秘、むくみ、気力の低下などがあり、更年期の症状と非常に似ているため、見過ごされやすい病気です。
心の疲れ(ストレス・気分の落ち込み)
更年期は、ホルモンバランスの乱れから、イライラ、不安感、気分の落ち込み、集中力低下といった精神的な不調も現れやすい時期です。これらの「心の疲れ」は、そのまま体のだるさとして現れることもあります。また、家庭や仕事の環境変化などが重なる時期でもあり、ストレスがホルモンバランスをさらに乱し、だるさを悪化させる悪循環に陥ることも少なくありません。
その他の要因(運動不足・食生活など)
上記以外にも、運動不足、栄養バランスの偏った食事、喫煙、過度の飲酒、持病(糖尿病、心疾患など)、服用している薬の副作用などが、複合的にだるさの原因となっている場合もあります。
【今日からできる】更年期のだるさ対策8選
つらいだるさ、少しでも和らげたいですよね。ここでは、今日から試せる具体的な対策をご紹介します。
① 食事:エネルギーをチャージする食べ方
バランスの取れた食事は、元気の基本。エネルギー不足を防ぎ、ホルモンバランスをサポートする食事を心がけましょう。
積極的に摂りたいもの:
玄米・全粒粉パン・そば: 血糖値の急上昇を防ぎ、エネルギーが長持ち。
魚・肉(赤身)・大豆製品・卵: 良質なタンパク質で、体を作る&満足感UP。
青魚・ナッツ類・アボカド・亜麻仁油: 良質な脂質はホルモンの材料にも。
緑黄色野菜・きのこ類・海藻類: ビタミン・ミネラル・食物繊維が豊富。特に鉄分(レバー、赤身肉、あさり、小松菜など)、マグネシウム(ナッツ、海藻、大豆製品)、ビタミンB群(豚肉、レバー、魚介類)を意識。
大豆製品(豆腐、納豆、豆乳など): 女性ホルモンと似た働きをする大豆イソフラボンを含む。
控えたいもの:
甘いお菓子・ジュース・菓子パン: 血糖値が乱高下し、だるさの原因に。
加工食品・インスタント食品: 栄養価が低く、添加物が多い場合も。
カフェイン・アルコールの摂りすぎ: 睡眠の質を下げたり、自律神経を乱したりする可能性。
水分補給も忘れずに:こまめに水やお茶を飲みましょう。

② 運動:無理なく続けて気分もスッキリ
「だるいのに運動なんて…」と思うかもしれませんが、適度な運動は血行を促進し、気分転換になり、エネルギーを高める効果があります。
おすすめの運動: ウォーキング、軽いジョギング、サイクリング、水泳、ヨガ、ストレッチなど。
ポイント:
無理しない: まずは1日10分からでもOK。楽しめるものを見つけるのが続けるコツ。
筋トレもプラス: 骨密度維持や代謝アップに効果的。スクワットや軽いダンベル運動など。
やりすぎ注意: 激しい運動はかえって疲労を招くことも。
体を動かすことで、睡眠の質向上やストレス軽減にも繋がります。
③ 睡眠:「質」を高めて疲れをリセット
質の高い睡眠は、だるさ解消に最も重要です。時間だけでなく「質」を意識しましょう。
睡眠環境を整える: 寝室は暗く、静かに、快適な温度・湿度に。自分に合った寝具を選ぶ。
寝る前のNG習慣: 就寝1〜2時間前の食事、カフェイン、アルコール、激しい運動、スマホやPCの明るい画面。
リラックス習慣を: ぬるめのお風呂にゆっくり浸かる、軽いストレッチ、アロマを焚く、穏やかな音楽を聴く、読書をするなど。
毎日同じ時間に寝起き: 休日でも、できるだけ体内リズムを崩さないように。
④ ストレス管理:上手に息抜きするコツ
ストレスはだるさを悪化させる大きな要因。意識的にリラックスする時間を作りましょう。
リラックス法を見つける: 瞑想、深呼吸、ヨガ、軽い運動、音楽鑑賞、アロマテラピーなど。
好きなことに時間を使う: 趣味に没頭したり、友人と話したり。
自然に触れる: 公園を散歩したり、緑を見たりするだけでも効果あり。
完璧を目指さない: 「まあ、いっか」と、少し肩の力を抜くことも大切。
一人で抱え込まない: 家族や友人に話を聞いてもらう、必要なら専門家(カウンセラーなど)に相談する。
⑤ 漢方:体質に合わせたアプローチ
東洋医学では、体全体のバランスを整えることで不調を改善します。更年期のだるさや付随する症状(冷え、イライラ、不眠など)に対して、体質に合った漢方薬が有効な場合があります。
代表的な漢方薬の例
加味逍遙散(かみしょうようさん): 比較的体力がなく、冷え症で疲れやすい方のイライラ、不安、不眠、肩こりなどに。
当帰芍薬散(とうきしゃくやくさん): 体力があまりなく、冷え症で貧血傾向のある方の疲労倦怠感、めまい、むくみなどに。
桂枝茯苓丸(けいしぶくりょうがん): 比較的体力があり、のぼせや足冷えがある方のホットフラッシュ、めまい、頭痛などに。
⑥ サプリメント:上手に活用するための注意点
食事で補いきれない栄養素や、特定の成分をサプリメントで補う方法もありますが、効果や安全性は様々です。
注目されている成分例
エクオール: 大豆イソフラボン由来の成分。ホットフラッシュなど更年期症状の緩和に期待。ただし、効果には個人差あり。
ビタミン・ミネラル: 鉄(貧血対策)、マグネシウム、ビタミンB群、ビタミンDなどは、不足している場合にだるさ改善に役立つ可能性。
NMN、マカなど: エイジングケアや滋養強壮目的で使われることがありますが、更年期のだるさへの直接的な効果に関する科学的根拠はまだ限定的です。
注意点
過剰摂取に注意: 特定の成分を摂りすぎると、かえって健康を害することも。
品質を確認: 信頼できるメーカーのものを選びましょう。
他の薬との相互作用: 服用中の薬がある場合は必ず医師・薬剤師に確認を。
サプリはあくまで補助: 食事や生活習慣の改善が基本です。
⑦ ホルモン補充療法(HRT):効果とリスクを知る
減少した女性ホルモン(主にエストロゲン)を薬で補う治療法です。だるさ、ホットフラッシュ、不眠、気分の落ち込みなど、様々な更年期症状に対して高い効果が期待できます。骨粗鬆症の予防効果もあります。
種類
飲み薬、貼り薬、塗り薬などがあります。子宮がある方は、通常エストロゲンと黄体ホルモンを併用します。
メリット
つらい症状を効果的に和らげ、QOL(生活の質)を大きく改善できる可能性がある。
デメリット・リスク
血栓症、乳がんなどのリスクがわずかに上昇する可能性が指摘されています(ただし、リスクの度合いは使用する薬剤の種類や期間、個人の健康状態により異なります)。
注意点
HRTは医師の診断と処方が必要です。 治療を始める前には、必ず医師とよく相談し、メリットとデメリットを理解した上で、自分に合った方法か判断してもらいましょう。
⑧ 体を温める
体が冷えると血行が悪くなり、疲労物質が溜まりやすくなったり、自律神経が乱れやすくなったりします。
入浴: シャワーで済ませず、ぬるめのお湯(38〜40℃)にゆっくり浸かる。
服装: 腹巻きやレッグウォーマー、重ね着などで、お腹周りや足首を冷やさない。
温かい飲み物: 白湯やハーブティー、生姜湯などを飲む。
軽い運動: 体を動かして血行を促進する。
体を温めることでリラックス効果も得られ、睡眠の質向上にも繋がります。
だるさの原因は更年期だけじゃない?注意したい他の病気
つらいだるさは、更年期特有の症状と思われがちですが、背景に他の病気が隠れている可能性もあるので、自己判断は禁物です。症状が似ている主な病気には、
病気/状態 | 主な症状 (だるさ以外) | 更年期との関連・注意点 |
甲状腺機能低下症 | 体重増加、寒がり、便秘、むくみ、気力の低下、皮膚の乾燥 | 更年期女性に多く、症状が酷似。血液検査で診断。 |
貧血 | 息切れ、めまい、動悸、顔面蒼白、頭痛 | 更年期の月経不順で鉄欠乏になりやすい。血液検査で診断。 |
うつ病・不安障害 | 気分の落ち込み、興味・関心の喪失、不眠、食欲不振、集中力低下、強い不安感 | 更年期は発症リスクが高まる時期。精神的な不調が強い場合に疑う。 |
睡眠時無呼吸症候群 | いびき、日中の強い眠気、起床時の頭痛、熟睡感のなさ | 更年期以降、女性も増加傾向。睡眠の質が著しく低下し、だるさの原因に。 |
慢性疲労症候群(CFS) | 6ヶ月以上続く原因不明の強い疲労感、労作後の極度の倦怠感、睡眠障害、思考力低下 | 診断が難しく、他の病気を除外する必要がある。 |
線維筋痛症 | 全身の広範囲な痛み、こわばり、疲労感、睡眠障害 | 痛みとだるさが主症状。更年期と症状が重なることも。 |
甲状腺機能亢進症 | 動悸、体重減少、手の震え、多汗、イライラ、眼球突出 | 低下症とは逆にホルモン過剰。疲労感も出るが、他の活動的な症状が特徴的。 |
糖尿病 | 口渇、多飲、多尿、体重減少、だるさ | 血糖コントロールが悪いとだるさが出やすい。 |
その他 | 心臓病、腎臓病、肝臓病、膠原病、感染症など | 持病がある場合や、他の身体症状がある場合は注意。 |
このように、だるさを引き起こす原因は様々です。「きっと更年期だから」と思い込まず、症状が長引いたり、他の気になる症状があったりする場合は、医療機関を受診するようにしましょう。

つらい時は我慢しないで!医療機関への受診をおすすめするケース
セルフケアを試してもだるさが改善しない場合や、以下のような場合は、婦人科や内科、場合によっては心療内科など、適切な医療機関を受診しましょう。
だるさがひどく、日常生活に支障が出ている
セルフケアを続けても、症状が改善しない、または悪化する
急激な体重変化(増加または減少)がある
動悸、息切れ、胸の痛みがある
気分の落ち込みがひどく、何もする気が起きない
めまいや立ちくらみが頻繁にある
食欲が全くない、または過食が止まらない
睡眠障害が深刻(全く眠れない、日中の眠気がひどすぎるなど)
だるさ以外にも気になる症状がある(不正出血、体の痛みなど)
「これは更年期なのだろうか?」と判断がつかず不安
医師は、問診や検査を通じて原因を特定し、あなたに合った治療法(HRT、漢方薬、他の病気の治療など)やアドバイスを提供してくれます。

原因を知って自分に合った対策で「だるさ」を乗り越えよう
更年期のつらい「だるさ」は、ホルモンバランスの変化だけでなく、睡眠不足、自律神経の乱れ、ストレス、栄養不足など、様々な原因が絡み合って起こります。
まずは、バランスの取れた食事、質の高い睡眠、無理のない運動、上手なストレス管理といった生活習慣を見直すことが、だるさ改善の第一歩です。さらに、必要に応じて漢方薬やサプリメント、ホルモン補充療法(HRT)などを検討することも有効ですが、これらは自己判断せず、必ず医師や専門家に相談しましょう。また、だるさの裏に他の病気が隠れている可能性も忘れてはいけません。症状が長引く場合や、気になる症状がある場合は、我慢せずに医療機関を受診してください。
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