トンカットアリとマカの歴史・成分・効果を徹底比較2025年版
- Renta
- 2 日前
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今、中高年だけでなく、健康志向の高い20~30代男女の間でも、伝統的な精力・スタミナ補助素材として知られるトンカットアリとマカの人気が高まっています。これらは古来から各地の民間療法で用いられてきた植物ですが、成分や作用機序には大きな違いがあります。
本記事では、両者の古代からの利用歴史、最新の研究結果に基づく成分・効果効能の違い、さらには現代社会の背景(運動不足やスマホ依存による性機能低下など)から、男女問わず高まる精力ニーズ、そして使用方法・注意点まで幅広く紹介します。なお、性的健康サプリメントの世界市場は2023年に約29億ドルと推計されており、性意識の高まりや生活習慣の変化により今後も成長が見込まれています(2029年には約52億ドルとの予想も)。gminsights.comthebusinessresearchcompany.com。

目次
天然のバイアグラ?トンカットアリとは
トンカットアリ(Eurycoma longifolia)は東南アジア(マレーシア、インドネシア、タイなど)原産の低木で、現地では古くから精力増強・滋養強壮薬として利用されてきました。伝統的には産後の回復を促す強壮剤や、マラリア・高血圧・疲労回復など多様な用途に用いられてきたと伝えられていますpmc.ncbi.nlm.nih.govpmc.ncbi.nlm.nih.gov。主要な化学成分は、苦味が強いクアシノイド類(ユーリコマノンなど)やβ-カルボリン系アルカロイドなどで、これらが多様な生理作用をもたらすと考えられていますhealthline.compmc.ncbi.nlm.nih.gov。
近年では、マレーシア政府も健康効果の研究に力を入れるなど「マレーシアの天然バイアグラ」と呼ばれるほど注目を集めています。
伝統利用例:東南アジアでは数百年以上にわたり、性機能低下や体力回復、病気からの回復目的でトンカットアリの根や抽出物が用いられてきた。

トンカットアリの効果・研究
トンカットアリは主に、男性ホルモン(テストステロンなど)の調整作用で知られています。2010年代以降の臨床研究では、トンカットアリ抽出物を摂取した男性の血中テストステロン濃度が統計的に有意に上昇したと報告されていますpubmed.ncbi.nlm.nih.gov。
2022年のメタ解析では、健康な男性や低テストステロン症の男性でトンカットアリ摂取によるテストステロンの上昇が認められ、その効果は統計的に有意(SMD=1.352, p=0.001)であったと示されました。この結果は、トンカットアリが**低下した男性ホルモンを正常値に戻す(レスタブライザー)**作用を持つ可能性を支持しており、筋力や性機能の改善が期待できます。
また、動物実験や一部の小規模研究では、トンカットアリがコルチゾールなどのストレスホルモン低下や抗不安・抗疲労作用を示すことも確認されていますpmc.ncbi.nlm.nih.gov。例えば、63人の中年男女を対象に200mg/日を1ヶ月服用した研究では、唾液中コルチゾールが平均16%低下し、主観的にもストレスや不安感の軽減が報告されました。
一方で、運動効果増強については研究結果が混在しており、2014年の小規模研究では筋力増強が示唆されたものの、2024年の研究では体組成改善に明確な効果は見られませんでしたhealthline.com。これらから、トンカットアリの効果は用量や試験条件に依存し、さらなる検証が必要とされています。
副作用・安全性
一般的な用量では大きな副作用は報告されていませんが、欧州食品安全機関(EFSA)は水抽出物の高用量(体重1kgあたり2,000mg以上)ではDNA損傷リスクを指摘し、安全な摂取条件は確立されていないと警告しています。また、マレーシア産のトンカットアリサプリ100製品調査では約26%に推奨限度を超える水銀が検出されており、低品質製品には重金属汚染のリスクもあります。したがって、使用時は信頼できるブランド・製法の製品を選ぶことが何よりも重要です。
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古代からの精力剤?マカとは
マカ(Lepidium meyenii)は南米アンデス山脈原産のアブラナ科植物で、中央ペルーの先住民により1300年~2000年以上前から食用・薬用として栽培・利用されてきましたpubmed.ncbi.nlm.nih.gov。古代インカ帝国では、戦士に力をつけさせるため、戦前あるいは褒美としてマカを食べさせていたという記録が残されています。
特に女性の体力回復・生殖能力向上のためにも利用されており、家畜の繁殖力増強にも用いられた記録が残っています。20世紀後半からは「ペルー産ジンセン」と称され、徐々に海外市場にも紹介され始めます。現在では、ペルー以外でも栽培され(中国やここ日本でも)、サプリメント原料として世界的に流通しています。
マカの根には、マカミド類やマカエン類と呼ばれる脂肪酸誘導体、グルコシノレート類、アミノ酸、ビタミン・ミネラルなどが豊富に含まれますfrontiersin.orgpubmed.ncbi.nlm.nih.gov。特にマカミド類はマカ特有の成分で、抗疲労やホルモン調整作用があるとされています。
伝統利用例:古代アンデスでは、マカ根は粉末にして飲食に利用され、特に女性の体力・精力増強や、更年期症状緩和に効果があると信じられてきました。また近年の研究でも更年期障害の改善や精力向上について検証が盛んに行われています。
マカの効果・研究
マカはホルモンバランス調整やスタミナ向上が期待され、男女両方の性機能・生殖機能への効果が報告されています。最新のレビューによると、マカは男性において性欲や勃起機能の改善、女性において更年期症状の緩和や疲労回復効果が見られたという報告がありますfrontiersin.org。
例えば、性的欲求低下や更年期症状の強い中高年男女を対象にマカを摂取した臨床試験では、性欲向上や気分改善などが一部観察されました。また動物実験では、マカ抽出物が精子運動性を向上させたり、テストステロン値を若干増加させることも示唆されています。
しかし一方で、マカの効果を巡る臨床試験は規模が小さいものが多く、データのばらつきや研究方法の限界も指摘されています。実際、「マカは生殖健康に対して本当に効果があるのか」というレビューでは、これまでの臨床研究は結論を出すに至らず、サンプル数や比較条件の設定に課題があると報告されています。したがって、実の所、マカの生殖健康についてはさらなる大規模研究が必要です。とはいえ、日本でも効果を感じている人もいるので、個人差によるところが大きいと言えます。
副作用・安全性
マカは一般に食品成分として用いられてきたため、安全性は高いとされています。前臨床・臨床データからも大きな毒性は確認されておらず、許容性は良好とされています。ただし、妊娠中・授乳中の安全性は十分検証されていないため、これらの時期の使用は避けるのが無難です。また、マカ根に含まれるグルコシノレート類は生体内で代謝されると微量のイソチオシアネートを生成するため、甲状腺機能低下症の人は念のため注意が推奨されます(通常の食用量では問題ないと考えられます)。
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トンカットアリとマカの比較ポイント
(1)原産地・伝統
トンカットアリはマレーシア周辺で数百年の利用歴があり、男性の強壮剤として重宝された。マカはペルー高地で1300年以上前から食用・薬用にされ、男女両方の生殖能力向上に使われてきた。
(2)主要成分
トンカットアリはクアシノイド(苦味成分)やアルカロイド類が豊富。これらは強い生理活性を持ち、特に男性ホルモン調整に関連します。一方、マカには特有のマカミド・マカエン(脂肪酸誘導体)やグルコシノレート類が多く含まれ、主に抗疲労やホルモンバランスの調整が期待されます。
(3)男性への効果
トンカットアリはテストステロン増加や精子質改善のデータがある一方、マカは男性の性欲向上や勃起機能改善が報告されています。どちらも男性の生殖健康に役立つ可能性がありますが、男性機能の向上だけで見ると、トンカットアリの方がホルモン直接作用(テストステロン調節)のエビデンスが強いと言えます。
(4)女性への効果
マカはホルモンバランスの調整が期待され、月経・更年期障害の緩和や妊娠率向上への効果が伝承されます。実際、更年期女性に対して性機能や気分の改善が報告された研究もあります。一方、トンカットアリは主に男性向けに用いられてきたため、女性への効果は限定的です。
(5)副作用
トンカットアリは高用量で胃腸障害や不確かですがDNA損傷の報告もあり、推奨摂取量は公的には確立されていません。信頼性の高い製品選びが重要です。マカは一般に安全ですが、妊娠・授乳中の使用は避ける、甲状腺疾患のある人は注意するなどが指摘されています。
人気の背景と社会的要因
近年、若年層を含む男女ともにライフスタイルの変化から体力・性機能の低下を感じる人が増え、自然由来の回復法に注目が集まっています。デスクワーク増加による運動不足は血流やホルモンバランスに影響し、勃起不全や性欲低下の一因と考えられます。また、スマートフォンやSNSの過度な使用・依存はストレスや睡眠障害を引き起こし、男女とも性的機能不全との関連が指摘されています。こうした問題の対策として、「自然素材による元気回復」に期待が寄せられているのです。
男性向けには「テストステロン増強」や「筋力アップ」を謳う製品が多く、トンカットアリはまさに男性ホルモン活性化を期待して愛用されています。
これに対し、女性向けには「ホルモンバランスの調整」や「更年期ケア」を重視する風潮があり、マカは女性ホルモン補助や美容・疲労回復を目的に紹介されることが多いです。
実際、近年のサプリ市場を見ると、日本でも男性向けサプリにはトンカットアリ成分配合が顕著に増え、女性向けサプリにはマカが使われるケースが一般になっています。さらに、日本でも健康食品市場全体、特に性的健康サプリメントのニーズ拡大が著しく、2024年時点で年率約10%超の成長が見込まれるなど、人々の性・精力への関心が高まっていることがうかがえます。
主なポイント
運動不足やスマホ依存などでの性機能低下への懸念から、自然由来の精力・活力回復策への関心が増加。
性的健康への意識向上や情報拡散で、天然ハーブへの注目度が高まっている。
男性は筋力・性機能向上志向が強く、トンカットアリが支持されやすい。女性はホルモンケアや美容・疲労回復志向があり、マカが選ばれる傾向がある。
世界市場でも性機能サプリは需要拡大中で、トンカットアリやマカを配合(あるいは両配合)した商品が増えている。
使い方と注意点
トンカットアリ:研究で用いられる量の目安は200~400mg/日程度です。過剰摂取は肝臓・胃腸への負担やDNA損傷のリスクが指摘されており、長期連用の安全性も不明です。含有量や品質が不明瞭な製品も多いため、必ず信頼できる国産メーカーの製品を選びましょう。なお、男性ホルモン感受性が高い方(前立腺疾患の既往など)は専門医に相談してください。
マカ:一般に食品扱いのため安全性が高く、1日1~3g程度の範囲で使われることが多いです。欠乏しがちなミネラルや必須アミノ酸も含むため、総合栄養補給としても用いられます。ただし妊娠・授乳中の安全性は不明確なため避け、甲状腺疾患(ヨウ素摂取過多やグルコシノレート感受性)にも注意が必要です。
いずれも、サプリメントに頼りきりにせず、規則正しい生活や適度な運動・睡眠も併せて心がけましょう。
注意点まとめ
摂取量:推奨量は個人差あり。過剰は避ける(特にトンカットアリは1日500mg超の使用は慎重に)。
製品選び:重金属汚染リスクがあるため、第三者検査済みなど品質保証のある製品を選ぶこと。
医薬品併用:テストステロン製剤やホルモン療法中の方は併用前に専門家と相談してください。

トンカットアリとマカの比較まとめ
項目 | トンカットアリ(Eurycoma longifolia) | マカ(Lepidium meyenii) |
原産地・歴史 | マレーシアなど東南アジア原産。精力剤、産後回復薬として古くから使用。 | ペルー・アンデス原産。1300年以上の利用歴があり、男女の生殖力向上や疲労回復に利用。 |
主要成分 | クアシノイド(ユーリコマノン等)、β-カルボリンアルカロイド、トリテルペン類。 | マカミド、マカエン、グルコシノレート、アミノ酸、ビタミン・ミネラルなど。 |
男性への効果 | テストステロン上昇作用あり(メタ解析で有意増加)、精子質改善、筋力増加など。 | 性欲向上・勃起機能改善の報告あり、精子質向上や疲労回復効果も示唆。 |
女性への効果 | 主に男性向け。女性効果は限定的で動物研究レベル。 | ホルモンバランスを整え、更年期障害やPMSの軽減、疲労回復に効果が期待される。 |
科学的エビデンス | テストステロン増加の臨床試験あり。抗不安・抗疲労作用も報告。 | 性機能・ホルモン調整の小規模臨床あり。既存研究はまだ小規模でさらなる検証が必要。 |
安全性・副作用 | 高用量で胃・胃腸障害やDNA損傷の懸念。国外では水銀汚染例あり。長期安全性は未確立。 | 基本的に安全で副作用少ない。妊娠・授乳期はエビデンス不足のため避ける。 |
人気の理由 | 男性向け精力・筋力補助として多くのサプリに配合。高テストステロン需要に対応。 | 女性のホルモンケアやエネルギー補給目的で人気。自然由来の美容・疲労回復素材として認知が広がる。 |
以上のように、トンカットアリとマカは由来・成分・効果・対象ユーザーが異なる個性あるサプリ素材・天然ハーブです。男性向けにはトンカットアリ、女性向けにはマカがそれぞれ強調されがちですが、両者とも男女ともに精力・活力サポートに役立つ可能性があります。
最新研究でもまだ不明点も多く、すべての効果が確定しているわけではないものの、現代人のライフスタイルから生じる性機能低下への対策として、自然由来のこれらハーブが注目され、効果を実感している人も多数いることは確かです。利用にあたっては、信頼性のある製品選びと用法・用量の遵守を心がけましょう。
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